「超大型」台風21号
今月21日から23日にかけて日本列島を横断した台風21号。
関東直撃の台風が関東全域を襲い、特に八王子市は夕方に1時間あたりの降水量が38.5ミリを記録し全国1位となってしまいました。これは平年10月の降水量の1.8倍という記録的なものです。
そうなると避けて通れないのが水害に対する懸念です。八王子防災でも夜半までどうなるかとハラハラしていましたが、これが的中してしまいました。
高尾地区の累計雨量が400ミリに近づき、1級河川の浅川では氾濫危険水位の2.6メートルに近い2.47メートルとなり、一部地域では土嚢を積んで氾濫に対する警戒を行っていました。 ここで活躍するのが八王子防災プロジェクトのLoRaWAN水位センサーです。
八王子市内で計測を行っているどの箇所も計測限界まで近づいたということで、夜半過ぎに確認と記録のために防災チームが集合しました。
市内の道路は軒並み冠水しており、運転中もハンドルを取られる状態で、特に2車線道路では歩道側を走ることはできませんでした。
実際に計測地点に行くと、普段は穏やかで小さな川が完全に濁流となっていました。
台風が通過し調査が終了したのは午前6時。疲労困憊の困中、被害が拡大しないことを祈りつつ帰路につきました。
その後、台風一過の晴天のなか再調査を行いました。市内を流れる浅川は、昨日ほどではないものの濁流が流れ続けており、その様子をご近所の方が心配そうに眺めていました。
砂防ダムに設置していた水位センサーはデータを記録しながらも土砂に埋まっており測定不可能となり、再設置を行うことになりました。継続的にデータが取れたことは実証実験の成果ですが、課題も残る結果となりました。
今回の台風は、至る所で高速道路が通行止めになり、列車の運行が乱れるなど、私たちの生活に大きな混乱を招きました。八王子防災プロジェクトでは、ニュースにならないような小河川や用水の水位を計測していますが、このような状況に少しでもお役に立つことができればと、防災の理念を再確認させられた台風でした。
末筆になりますが、被害に遭われた方や、生活に支障を来した方々にお見舞い申し上げます。
また、このような荒天の際には絶対に様子を見に行くことなく、安全な場所に避難し、万全な対策を行ってください。